キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿のための生活習慣の重要性!

歯科矯正の豆知識

はじめに

日本は長寿国として知られていますが、平均寿命と健康寿命の差が大きな課題となっています。健康寿命を延ばすためには、日々の生活習慣を見直し、特に咀嚼(そしゃく)を大切にすることが不可欠です。本記事では、健康寿命を延ばすための咬み合わせの重要性について詳しく解説し、有益な商品を紹介します。


日本の平均寿命と健康寿命

2010年のデータによると、日本の平均寿命は男性79.55歳、女性86.3歳です。しかし、健康寿命は男性70.42歳、女性73.62歳と、平均寿命と比べると大きな差があります。この差は、日常生活に支障をきたす「不健康な」期間を示しています。

健康寿命の重要性

健康寿命を延ばすことは、単に長生きするだけでなく、質の高い生活を送るためにも重要です。健康寿命を延ばすためには、以下の要素が重要です。

  • 食事
  • 睡眠
  • 運動
  • 咀嚼の習慣

健康寿命を延ばすための生活習慣

健康寿命を延ばすためには、日々の生活習慣を見直すことが不可欠です。以下のポイントを意識しましょう。

  1. バランスの良い食事: 野菜、果物、たんぱく質を意識的に摂取すること。
  2. 十分な睡眠: 質の良い睡眠を確保することで、身体の回復を促進します。
  3. 定期的な運動: 運動は筋力を保ち、全身の健康を維持するために重要です。

咀嚼の重要性

咀嚼は、食べ物を細かく砕き、唾液と混ぜて飲み込みやすくするプロセスです。これには以下のような重要な役割があります。

  • 消化の助け: 食物を細かくすることで、胃や腸の消化吸収を助けます。
  • 満腹感の促進: よく噛むことで、脳に満腹感が伝わり、食べ過ぎを防ぎます。
  • 口腔内の健康維持: 唾液の分泌を促進し、むし歯や歯周病を防ぎます。

咀嚼と脳の関係

咀嚼は脳に多くの刺激を与え、記憶や学習能力を高めることが研究で示されています。特に、咬み合わせが良い状態でしっかり噛むことは、認知症のリスクを下げることにもつながります。


キレイな咬み合わせのメリット

キレイな咬み合わせは、以下のような多くのメリットをもたらします。

  • 健康的な食生活: しっかり噛むことで、消化が良くなり、栄養素の吸収が促進されます。
  • 言葉の発音が明瞭になる: 咬み合わせが整っていることで、発音がクリアになります。
  • 全身の体力向上: 咀嚼によって全身の機能が活性化され、体力が向上します。

悪い咬み合わせの影響

悪い咬み合わせは、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。以下のような影響があります。

  • むし歯や歯周病のリスク増加: 歯磨きが難しくなり、口腔内の健康が損なわれます。
  • 消化不良: 食べ物を十分に噛めないことで、消化が悪くなります。
  • 認知症リスクの増加: 咬み合わせが不安定な状態では、脳への刺激が不足し、認知機能が低下する可能性があります。

キレイな咬み合わせで、めざせ!健康長寿

世界に名だたる長寿国の日本。

2010年の国民の平均寿命は、男性79.55歳、女性86.3歳となり、厚労省では、このままいけば2022年には男性81.15歳、女性87.87歳まで平均寿命が延びると推計しています。

寿命が延びるのはよいことですが、その一方で気になるのが「健康寿命」です。

健康寿命とは「介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる」年齢のこと。いうなれば、平均寿命から平均療養期間を引いた数字です。

日本人の場合、2010年の時点で健康寿命は男性70.42歳、女性73.62歳。つまり、男性は9年あまり、女性は約13年間も日常生活に差し障りのある”不健康な”療養期間があるのです。

ちなみに、この健康寿命、2001年とくらべると延びてはいるものの、平均寿命に比べると延び率が小さく、9年前より療養期間が長くなっているのも気になる点です。

健康寿命と平均寿命の推移
資料:健康寿命は厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」
平均寿命は厚生労働省「簡易生命表」
(注)日常生活に制限のない期間が「健康寿命」、0歳の平均余命が「平均寿命」


 

健康寿命を延ばすには、どうすればいいのでしょうか。

それにはまず食事、睡眠、運動を適切に取り入れるなど日々の生活習慣を見直すと同時に、しっかりと咀嚼(そしゃく)できる安定した咬み合わせを保つことが大切です

咀嚼とは、食べ物を細かく砕き、唾液と混ぜて飲み込みやすい状態にすることです。

食物をしっかり咀嚼することは、胃や腸の消化吸収を助けるだけでなく、中枢神経系に働きかけて食べ過ぎを防いだり、唾液の分泌をよくしてむし歯や歯周病を防いだり、言葉の発音を明瞭にしたり、全身のさまざまな機能を活性するのに重要な役割を果たしているのです

そのため、反対によく噛まずに食べると満腹感が得にくくなり、つい食べ過ぎてしまい、肥満につながります。

また、咀嚼によって歯やあごが鍛えられないことから歯の組織が弱まり、さらにやわらかいものばかり食べるようになる…といった悪循環に陥ることに。

学校食事研究会が噛むことの効用をわかりやすい標語にしています。

 

それが「ひみこの歯がいーぜ」。

現代人にくらべて噛む回数が何倍も多かったと考えられている弥生時代の人々。邪馬台国の女王、卑弥呼もきっとしっかりと噛んで食べていたでしょう。

 

「ひ」:肥満を防ぐ
「み」:味覚の発達を促す
「こ」:言葉の発音がハッキリする
「の」:歯をむし歯や歯周病から守る
「は」:肥満を防ぐ
「が」:がんを防ぐ
「い」:胃腸の働きを促す
「ぜ」:全身の体力向上


「現代の食事はやわらかい加工食が多く、あまり噛まなくても飲み込めます。

しかし、それは歯にも身体にもよくないこと。

また、口の中にちゃんと噛み合わない歯があると、その歯のまわりにある骨や組織が萎縮して、その結果、歯と歯を支えるあごの骨の結合力が弱まって抜けやすくなってしまいます。

つまり、歯は使わないと弱くなるのです。これは入院して寝たきりの生活を送っていると、筋肉が落ちて痩せてしまうのと同じ原理。

歯が『噛む』という本来の機能を発揮するためには、きちんと噛み合う状態であることが大切です」
食べものを噛み始めると、それに伴う感覚情報が歯を骨とつなげている歯根膜(しこんまく)などで捉えられ、三叉(さんさ)神経に伝達されます。

その際、咬み合わせが不安定だったり、歯をなくしてよく噛めない状態だと、脳への信号の伝達が十分に行われないため、ストレスをためやすくなったりもするのだそうです。

そして、それだけではなく、最近では安定した咬み合わせでしっかり噛むことが認知症のリスクを下げることもわかってきているのだとか。

 

噛むことで認知症のリスクを下げる

最近では、安定した咬み合わせでしっかり噛むことが認知症のリスクを下げることもわかってきています。

その話に入る前に、まず、噛むことによって脳にどれくらいの刺激を与えているのか、丹根先生にうかがいました。

「口の中や舌、歯の根もとにある歯根膜には、味覚や触覚、冷温、痛みなどを敏感に感じ取る感覚センサーがたくさんあり、咀嚼することで大量の感覚情報が脳に流れ込みます。

その情報量は、手足や身体のほかの部位からくる情報と比べても格段に多いといわれています

そのことを裏付けるのが、カナダのマギル大学のペンフィールド教授が作成した「ペンフィールド・マップ」。脳の表面に描かれた奇妙な顔と手足をもつ絵は、ホムンクルス(小さな巨人の意味)と呼ばれ、脳が身体を支配する領域の大きさに応じて、身体の部位を誇張して描かれています。

それをみると、身体のほかの部位に比べて口や唇、舌の占める面積は非常に大きいことがわかります。

つまり、それだけ口もとは精妙な動きができ、ものを噛むことによってきめ細かな情報を脳に伝えることができるのです。


ペンフィールド・マップ
ペンフィールド・マップ
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そのため、歯を失うなどしてよく噛めない状態になると、認知症の一種であるアルツハイマー病のリスクが高まるといわれています。

そこで丹根先生は、咬み合わせの良し悪しと認知症の関わりを調べるため、さまざまな実験を行いました。

 

■実験1:歯がないとアルツハイマー病になりやすい?

先ほどお話ししたように、ものを噛むと、その刺激は歯根膜から三叉(さんさ)神経を通って中枢神経系まで伝達されます。

その途中で、計算や思考、記憶のメカニズムをになう海馬(かいば)に情報が送られるわけです。一方、アルツハイマー病というのは脳が萎縮していく病気で、アミロイドβ(ベータ)というタンパクが脳の海馬周辺に沈着することで発症するといわれています。

そこで、まずは普通に歯があるネズミと先天的に歯が生えてこないネズミを使った実験で、大脳皮質や海馬、視床下部などにおけるアミロイドβの沈着の様子を確認してみることにしました

その結果、正常なネズミでは0個だったアミロイドβが、先天的に歯の生えないネズミでは、特に大脳皮質において平均157個のアミロイドβ沈着が認められました。

ネズミの大脳皮質
歯のある正常なネズミの大脳皮質(左)には認知症の原因となるアミロイドβが0個なのに対し、歯のないネズミの大脳皮質(右)には平均158個のアミロイドβの沈着があった。
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■実験2:噛まずに栄養をとっても海馬の細胞は減る?

次に、粉末のエサを与えたネズミと固形のエサを与えたネズミで、記憶・学習能力をつかさどる海馬周辺の細胞の数を比較したところ、粉末の咬まずに食べられるエサを与えていたネズミは固形のエサを与えていたネズミより、海馬の錐体(すいたい)細胞の数が少なくなることが明らかになりました」

ネズミの海馬周辺の細胞数
固形エサを食べたネズミ(左)に対し、粉末エサのみを食べたネズミ(右)は、海馬周辺の細胞数が少なかった。

「ここから推測できるのは、毎日自分の歯でものをよく噛んでいる人とそうでない人では、海馬の細胞数に差がある、つまり記憶・学習能力に差がつくのではないかということです」

この2つの実験で歯と脳の関わりを機能と構造の面から確認したうえで、「モーリスの水迷路」といわれる実験で、さらに噛むことと記憶・空間認知能力の関係を調べました。

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■実験3:噛む回数が少ないと空間認知能力が落ちる?

空間認知能力とは、周囲にあるものから自分の位置を知り、記憶すること。それも海馬の重要な働きです。

「先の実験と同じように、固形と粉末という硬さの異なるエサで育てた正常なネズミを直径60センチのプールに落とし、プールの縁までたどり着くまでの時間を8日間にわたって計測してみました。すると、どちらのネズミも生後半年齢ではハッキリとした差がなかったものの、生後約1年経ったネズミでは明らかな差が認められました

粉末のエサを食べていたネズミのほうが、固形のエサを食べていたネズミよりゴールへの到達時間が長かったのです。

水迷路実験
「モーリスの水迷路」実験で使う装置。
ゴールまでの到達時間
固形エサを食べていたネズミのほうが、
プールの縁まで到達する時間が早かった。


「これらの実験から見えてくるのは、しっかり噛めないと記憶や空間認知能力の司令塔である海馬の神経活動が不活発になるという可能性です。

もちろん、認知症を引き起こす原因はさまざまで、噛むことで確実に予防できるものではありませんが、安定した咬み合わせでよく噛める状態を保つことは、認知症のリスクを下げる一因になるのは事実だと思います」

 

咬み合わせを改善するための方法

咬み合わせを改善するためには、以下の方法が考えられます。

  1. 矯正歯科治療: 不正咬合を改善するために、専門の歯科医に相談することが重要です。
  2. 定期的な歯科検診: 定期的に歯科医を訪れ、口腔内の健康をチェックしましょう。
  3. 良い食習慣を身につける: 硬い食材を意識的に摂取し、咀嚼回数を増やすことが大切です。

朝食と脳の関係

少し前の情報になりますが、2005年の日経新聞に、朝食を食べた人と食べなかった人とで、記憶力にどのような違いが出るかを調べた研究結果が載っていました。

それによると、朝食を食べたグループが明らかに優れた成績を示したそうです。また、別の研究では一日のブドウ糖の必要摂取量の約25%を朝食でとると、計算能力や想像力が高まったとされています。

ここで注目したいのは、やはり噛むことの効用。ご飯やパンに含まれる炭水化物は、噛むと唾液と一緒になって、ブドウ糖になります。大脳を働かせるのは、ブドウ糖の役割。

つまり、朝食をしっかり噛んで食べることで、脳と身体の健康に役立つのです。

よく噛むことが健康維持につながるなら、よく噛める状態の歯を保つことは、医療費を減らすことにもつながるということです

実際、兵庫県歯科医師会の研究から、残った歯の数が約8本の高齢者の診療費は、歯の数が約22本ある高齢者の診療費より月に1万円以上多いという結果が出ています。

「月々1万円以上も違うというのは年間にすると大変な差。しかも、歯の数と診療費は反比例の関係にあり、歯が少なくなるほど医療費が高くなるという結果になりました。

さらに、歯が残っている高齢者は、かかる病気も、外耳炎や風邪、皮膚炎といった通院で済む程度なものなのに対し、歯の数が少ない、もしくはまったくなくて咬み合わせが保てない高齢者では、がんや糖尿病、肝硬変、認知症など、重篤な病気が目立っている点にも注目すべきでしょう」

噛める高齢者と咬めない高齢者

 

抜けた歯をそのままにしておくのは、もってのほか

ここまで読んできて、「では、すでに歯をうしなってしまった場合はもう手遅れなのか?」と思っている方もいるかもしれません。

「歯がすでにない場合は、入れ歯などを利用して、ものが噛める状態にしておくことが大切です。抜けたままにしておくのは一番いけません

しかし、入れ歯にすると、噛む力が天然の歯の約3分の1に落ちるというデメリットも。

「やはり一番よいのは、歯を失う前によく噛める状態に整えておくことですね。デコボコの歯並びなどでうまく咬み合わない歯は、歯磨きもしづらく、歯周病やむし歯になりやすいため、歯の寿命もおのずと短くなってしまいますから」

そこで重要になるのが、安定した咬み合わせをつくる矯正歯科治療です。


矯正歯科治療とは

矯正歯科治療とは、歯やあご位置を、上下・左右・前後と3次元的に見て、問題のある咬み合わせを直していく治療のこと。

歯の根もとにある歯槽骨の新陳代謝のメカニズムを利用して、弱い力を継続的にかけることによって、理想的に咬み合う位置に歯を動かしていくのです。

そもそも咬み合わせが悪くなる原因には、遺伝的なものと後天的なものとがあります。

このうち根本的に咬み合わせに影響をおよぼしがちなのは、やはり両親から受け継いだ遺伝的なもの。

例えば、親が乱ぐい歯だとその子どもも同じような乱ぐい歯になりやすいのは、歯の生えてくる時期やあごの骨の発育のしかたなどに遺伝的な条件が影響するためだといわれています。

よくない咬み合わせ(不正咬合)は、こうした遺伝的要素に、子どもの頃の指しゃぶりや乳歯のむし歯、口呼吸、噛み癖、舌の癖など後天的な要素が加わり、成長する中でつくりあげられていきます。
不正咬合をそのままにしておくと、ここで紹介したように健康面での問題が起こりやすいだけでなく、笑顔に自信がもてなかったり、歯に対するコンプレックスから人間関係でも消極的になったりしがちです。

もちろん、咬み合わせに多少問題があっても、人間には適応力があるため、ただちに問題が起こるわけではないでしょう。

しかし、そういう人は歯周病になったり、むし歯ができたりといった何らかの変化が加わると、口腔にかかる負担がより大きくなり、トラブルにつながる危険性を秘めているということです。

 

矯正治療は健康な未来への投資

公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会が2012年に全国のOL300名を対象に行った意識調査によると、矯正歯科治療について「くわしく知っている」「なんとなく知っている」と答えた人の割合は約82%。

そして、矯正歯科治療をしたいと思ったことが「ある」と答えた人は、半数近い47%となっています。

矯正治療は健康な未来への投資
日本臨床矯正歯科医会調べ

少し前まで子どもが受けるもの、という意識が強かった矯正歯科治療ですが、最近では年齢に関係なく治療に関心を持ち、受けたいと考える人が増えてきているようです。

その背景には歯に対する意識が高まったことや、歯と健康の関わりを大切に考える人が増えてきたことが挙げられるでしょう。

安定したキレイな咬み合わせをつくる矯正歯科治療は、言うなれば、食事や日常生活に気を配って、いつまでも健康で若々しくいるための、いわばフィットネスと同じ。一生、自分の歯で食べ、話し、笑うための前向きな投資にほかなりません。

今、咬み合わせに自信がないと感じている人は、将来問題を起こさないために、早めに専門家の意見を聞いて、自分の咬み合わせの状態を把握することから始めてみてはいかがでしょう。

自分の歯に関心を持つこと、それは健康寿命を延ばし、幸せな人生を送るための大切なファーストステップでもあるのです。

 

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まとめと行動の呼びかけ

健康寿命を延ばすためには、咬み合わせや咀嚼が非常に重要です。自分の口腔内の健康を見直し、必要な対策を講じることが大切です。今すぐ、専門家に相談することから始めてみましょう。

 

 

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