歯を抜かない(非抜歯)矯正歯科治療の現状と課題!歯を抜く事の重要性

歯科矯正の豆知識

はじめに

近年、矯正治療において「歯を抜かない(非抜歯)矯正」が注目されています。患者にとって、歯を抜かずに治療できることは魅力的ですが、実際には多くの課題が存在します。本記事では、非抜歯矯正の現状とその課題について詳しく解説し、正しい知識を持つことの重要性について考えていきます。

非抜歯矯正の基本概念

非抜歯矯正とは、歯を抜かずに歯並びを整える治療法です。一般的に、歯を抜かずに治療できるのは、あごのスペースが十分にある場合に限られます。しかし、あごのスペースが不足している場合には、無理に歯を並べることで様々な問題が生じることもあります。

無理な非抜歯矯正歯科治療が、歯やハグキにダメージを与える!

あごのスペースに歯が並びきらない場合がある

電車内の広告や書籍などで「歯を抜かずに歯並びを整える」ことをアピールしている歯科があります。歯を抜かずに安定した咬み合わせをつくることができるなら、それにこしたことはありません。しかし、矯正歯科の専門開業医は、すべての患者さんに対して“非抜歯で治療できる”などとは決していえないと口を揃えます。

なぜすべての人に非抜歯で治療できないかというと、あごのスペースより歯の幅が大きい場合、非抜歯にこだわると、歯の傾斜を大きくして無理やり歯を並べるしかなくなります。その結果、歯が外側に飛び出し、口を閉じても口もとが出てしまったりします。そうなると、しっかりと噛めないばかりか、歯の寿命も短くなってしまうのです。

また、無理な非抜歯矯正歯科治療によって、治療後に歯がもとの位置に戻ろうとする「後戻り」が起きやすくなるほか、咬み合わせたときに一部の歯に過剰な負担がかかり、炎症が起きたり、歯周病のリスクが高まったりと、歯やハグキにも問題が及ぶことにもつながります。

矯正歯科治療をしても、あごは広がらない

矯正歯科治療であごが広がらないことは、すでに国内外の研究者が論文で報告している事実。また、成長期の歯列拡大にも限度があるため、その後に行う本格的な矯正歯科治療が必ず非抜歯でできる、というわけではありません。
それなのに、なぜ非抜歯の矯正歯科治療が行われているのでしょうか?
そこには、できることなら歯を抜きたくないという患者さんの心理をもとに、矯正歯科の専門ではない歯科医が、経験不足のまま治療するケースが多いことが挙げられます。

非抜歯矯正歯科治療での相談が増加中

非抜歯による矯正歯科治療をはじめた患者さんから、『以前より口もとが出てしまった』『前歯で噛めなくなってしまった』といった相談が毎月複数件、寄せられています。そして、その件数は増加傾向にあるのが現状です

非抜歯矯正のメリットとデメリット

メリット

  • 見た目の改善: 歯を抜かないため、顔の輪郭が変わらず自然な仕上がりになる。
  • 治療後の安定性: 歯を抜かないことで、歯の位置が安定しやすい。

デメリット

  • スペース不足: あごのスペースが不足している場合、歯が外側に傾くことがある。
  • 後戻りのリスク: 無理な治療によって後戻りが生じやすくなる。

現状の課題

患者の認識不足

多くの患者が「非抜歯矯正は全ての人に適用できる」と誤解しているため、適切な治療を受けられないケースが増えています。特に、あごのスペースが不足しているにもかかわらず、非抜歯を希望する患者が多いです。

医師の経験不足

非抜歯矯正を専門としない医師が治療を行うケースもあり、経験不足から不適切な治療が行われることがあります。これにより、患者の満足度が低下することが懸念されています。

実際の患者の声

ケーススタディ

  • ケース1: 30代女性の治療
    • 非抜歯で治療を受けたが、口もとが出てしまい、咬み合わせが悪化した。
  • ケース2: 18歳男性の治療
    • 矯正後に前歯が突出し、後悔している。

これらのケースは、非抜歯矯正のリスクを示しています。

正しい治療の選択肢

治療を選ぶ際には、専門医の診断を受けることが重要です。矯正歯科専門医による精密検査を受け、適切な治療法を選択することが、治療の成功につながります。

非抜歯矯正に関するアンケート結果

公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会による調査では、多くの患者が非抜歯矯正のメリットを理解していないことが明らかになりました。特に、無理に歯を並べることによるリスクについての認識が不足しています。

抜歯・非抜歯の判断は、すぐにはできない

このように矯正歯科単科専門開業医のもとでは再治療を行うことで不適切な非抜歯による矯正歯科治療の改善を図りますが、それをするには期間、費用など患者さんの負担が大きくなってしまいます。そこで大切になるのが、患者さん自身も矯正歯科治療についての正しい知識を持つことです。

例えば、矯正歯科を専門とする診療所では、下図のように、問診、精密検査、検査結果の分析、診断、治療計画の立案といった段階を踏み、本当に歯を抜かずに治療できるかどうかを判断します。そのため、非抜歯をすぐに提案してくる歯科医院は、矯正歯科治療の経験が浅い可能性があると捉えてもよいでしょう。

安心して治療を受けるための指針

  1. 精密検査を受ける: 治療前にしっかりとした検査を行うこと。
  2. 治療計画を確認する: 詳細な治療計画と費用について説明を受ける。
  3. 経験豊富な医師に相談する: 専門知識を持つ医師に治療を依頼する。

 

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まとめ

非抜歯矯正は、患者にとって魅力的な選択肢ですが、実際には多くの課題が存在します。正しい知識を持ち、専門医の診断を受けることが、成功する治療の鍵となります。

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